病院紹介

院長挨拶

平成25年1月1日付で、国立病院機構花巻病院の院長を拝命した八木 深です。東日本大震災により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。被災された方々にとり、1年11か月はどのように過ぎたのでしょうか。是非、知りたく思います。

「東北から、パラダイム転換へ」。これは、「東北大学 復興アクション」の冒頭で里見進総長が述べている言葉です。パラダイム転換は、「再生」という語感がふさわしい大転換のことでしょう。大学に限定せずに、「東北から」としたのは、大切だと思いました。広いつながりが必要でしょう。精神医療における大転換とは何でしょうか。

国は保護者制度の見直しを発表しました。これは、精神医療における大転換につながる見直しだと思います。検討チームは、 医療保護入院の問題点として、入院が必要なのに家族の同意がないと入院できない、本人とあつれきをうみ、家族の負担が大きいという点があり、「治療を受けさせる義務」を素人である家族に担わせることは不合理であると分析し、保護者による同意を必要としない入院手続きとするというとりまとめをしました。

精神的変調をきたした方について本人以外が相談に行っても、「本人を病院に連れてきてください」と言われて、途方に暮れる家族も多いでしょう。未治療の方や治療中断例も含めて、医療にどうやってつなぐかは重要です。検討チームは、未治療・治療中断等の重度精神障害者に対し、地域生活を継続しながら、医療的支援を提供する体制、通院を促す仕組みを検討すべきである、としています。これは、「病院に連れてきてください」という待ちの体制から、「地域で支える体制」への大転換の宣言です。

「待っているだけの病院」から、「地域にでる拠点」にという大転換を考える場合、地域については、東北は、最先端です。今から、50年前に、保健のモデルを組み立て、単に、医療にとどまらず、生活の改善をはかった地域が東北にはあります。旧沢内村の新生活運動です。1調査眼を持つ(常に実態を正しく把握する)、2「引率型」ではなく「演出型」で、組織の能力をフルに引き出す、3運動は、一過的な「終着駅型」ではなく「途中下車型」にして常に新しい目標を置く、4三「せい」運動の推進(一人一人が「せい」、皆で「せい」、話し合ってせい。今でも見習いたい運動です。
八木 深
院長 八木 深

常に実態を正しく把握するのが第一歩だと思います。地域で必要なのは何でしょうか。皆さまと一緒に、考えてゆきたいと思います。

宮沢賢治は、「そこへ夜行って歌えば、またそこで風を吸えば、もう元気がついてあしたの仕事中からだいっぱい勢がよくて面白いような、そういうポラーノの広場をぼくらはみんなでこさえよう」と書いています。花巻病院が、ポラーノ(ポラン)の広場のように、人が集まりそこに行くと元気になるような「地域にでる拠点」になるように頑張ってゆきたいと思います。

今後ともよろしくお願い申しあげます。